3/4 日記
体を清潔に保つ
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本を読んだりした。眠くて何度か落としたりした。
「これが人間か」を読んでいる。最近はアウシュヴィッツ関連の本ばかり読んでいるが、別段意識しているわけではない。
本書は、以前NHKでレーヴィの特集があった際に知ったものだ。
夜と霧とはやや時期が異なる(レーヴィのが末期)ものかと思っていたが、アウシュヴィッツ歴としてはレーヴィのが長かった(収容経験ではフランクルのが長い)。
まだまだ冒頭だが、所持品を奪われ、髪を剃られ、家族も名前も奪われ、 心の死んでいく様子、そして囚人(ヘフトリング)間の倫理など、極限状態における精神の退廃などがわかる。
日常的な暴行から暴力的な行為に対しては感覚が麻痺していくのはもちろんのこと、 囚人間での窃盗行為では、被害、加害、ともに罰せられることから、実質加害が積極的に奨励されていることから倫理観の歪みが生じる。
石鹸もきれいな水もろくにないため、レーヴィは入所一週間ほどで、それが時間の無駄と悟り体をあらわなくなってしまう。
ところが、そうしたさなかであっても、一人丹念に体を拭う者がいた。
彼が言うには、こうした極限状態において、多くを剥奪された中でも、 人間としての誇りを保持するためには、「これまでの日常」を繰り返すことにあるとした。
つまり、「毎日体を清潔に保つ」"行為"を、たとえ実際にそうできなかったとしても繰り返すことで、自我を保つということだ。
コロナ禍においても似たような話結構あったなって思ったり。